8月6日(日)に始まった第105回全国高等学校野球選手権記念大会。
ついに決勝の日を迎えました。
昨年、東北勢で悲願の初優勝を果たした仙台育英(宮城県)
対するは、107年ぶりの優勝を狙う慶応(神奈川県)
試合は、夏の甲子園史上初の”先頭打者ホームラン”で幕を開けました。
この一発で球場全体が慶応一色の大合唱。
通常は一塁側、三塁側、それぞれその学校の応援がアルプススタンドにまとまり、外野席には一般的に個々に好きな方を応援します。またはどちらが勝っても、単純に”野球ファン”、”高校野球ファン”が現地観戦します。
しかしこの日は違いました。慶応を応援する方々が三塁側のアルプススタンドに入りきらず、外野席の方まで全体が慶応の応援で盛り上がり、大きな大きな歓声となって一体感が生まれていました。
一時は3-2と接戦の状況になりましたが、5回表に慶応が一挙5得点入れ、
結果は8-2で慶応が107年ぶりの優勝を手にしました。
慶応の皆さま、おめでとうございます。
仙台育英の皆さま、2年連続でこの決勝の舞台に立ち、準優勝おめでとうございました。
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千葉県代表の専大松戸は、2試合目で敗退となりました。
相手は茨城県代表、土浦日大との対戦です。
持丸監督は茨城県常総学院の監督を経て専大松戸の監督になりました。
高校野球ファンなら誰もが知ってるあの名将、木内監督の推薦により常総学院の監督になられたとのことです。
茨城県内でライバルとしてともに戦ってきたからこその推薦だったようです。
対する土浦日大の小菅監督は、木内監督の教え子でした。
そんな注目の一戦、結果は10-6で土浦日大の勝利となりました。
序盤は6-0と専大松戸が大きくリードを取ったのですが、
6点目を入れた回のその裏、一挙5得点が入り、その後も追加点を取られた展開となりました。
この日は台風7号の影響により試合日程が一日順延となったのでした。
台風が去った翌日16日(水)の試合でしたが、この時、専大松戸の吹奏楽部とチアリーディング部が、新幹線大幅な遅延により到着が間に合わなかったのです。
アルプススタンドにいる仲間が手拍子、拍手、歓声だけで選手たちを後押しします。
温かい拍手に温かい声援。
間に合わなかった生徒の皆さま方も悔しかったかもしれませんが、その想いも一緒に届けているような、そんな一体感のある応援でした。
専大松戸の皆さま、熱い戦いをありがとうございました。お疲れ様でした。
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そのことを知り、仙台育英が専大松戸のチャンステーマを準決勝から使用するようになったのです。
ただただ相手をライバル視して戦うのでなく、切磋琢磨して相手を尊重しながら相手を気遣う。
ここ数年、特にそんなシーンをよく見聞きします。
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また、個人的に印象的だった場面は、準々決勝、花巻東(岩手県)対 仙台育英での最終回です。
0-9と大差で迎えた最終回、佐々木麟太郎選手まで打席を回せと、選手たちが奮闘します。
4番の北条選手から始まり、打者一巡の粘りを見せ、4得点をもぎ取ります。
そして9番目に巡ってきたツーアウト2塁、1塁の場面、3番佐々木選手。
結果は相手の好プレーに阻まれセカンドゴロで終わってしまいましたが、全員野球で魅せてくれたシーンでした。
あの大谷翔平選手、菊池雄星投手を育てた佐々木監督の息子さん、佐々木麟太郎選手。
高校野球人生は幕を閉じましたが、将来がとても楽しみな選手の一人です。
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もう一つ、大垣日大(岐阜県)の阪口監督は79歳で指揮を執ります。
そのお孫さんがともに戦い、”今年限りで勇退するおじいちゃんに勝利”を目指しました。
今年の夏も一つ一つの出場校でエピソードがあり、たくさんの夢と感動を、ありがとうございました。