『遊書』
漢字の持っている意味を、躍動感のある筆使いや墨の濃淡でわかりやすく美しく楽しく表現する、新しい考え方の書道である。
この二つの書は同じ「夢」という漢字を書いているが、作品から受ける印象は全く異なる。
左側は少女が様々な可能性から将来なりたい自分を想像しているようなキラキラした印象。
逆に右側は夢に向かって確固たる思いで困難にも立ち向かって行くような力強い決意が感じられる。
このように自身の表現したい漢字の意味を、形にとらわれず表現していく遊書の魅力に魅せられた女性が磯辺にいる。
もともと字を書くのが好きで、お孫さんが5歳の時から一緒に書道教室に通われていたという中西正惠さん。
たまたま見つけたカルチャーセンターのお知らせがきっかけで、2016年から遊書を始めて今年で7年目となる。
始めてから毎回楽しみに通っていたが、途中で教室が終了することになってしまったのだそう。
遊書を続けるには先生の個人のお教室がある新浦安まで通わなくちゃいけなくなっちゃったの。
他の仲間は通えないってやめちゃったんだけど、わたしはやっぱり楽しくて続けることにして。
今では新浦安に通うのも、月に1回の楽しみになってるの。
そう中西さんは笑顔で話してくれた。
お教室では年に1回、銀座にある画廊を借りて作品展が開かれる。
そこに向けて想いを込めた作品を作り、完成したものをみんなに見てもらうことが現在の喜びという。
先生の感性が素晴らしくって毎回とても刺激を受けているの。
いまはまだそれを真似て書いているけど、ほんとこうやって書けたら素敵よね。
と、目を輝かせながら話してくれた。
憧れの先生を追いかけながら、今後ますます想いのこもった素敵な作品を作り上げていかれるだろう。